皆様、お越しくださり誠にありがとうございます。管理人の鯉です。
いつの間にか2万ヒット…!!これも足を運んでくださる皆様のおかげでございます。
さてさて、今回は意を決してフリー小説なるものを作ってみました。
お気に召せば幸いですv
お持ち帰り期間は
11月10日〜12月10日の一ヶ月間でございます。
サイトお持ちの方はUPして下さってもかまいません。報告不要です。(して下さったら見に行きますv)
申し訳ございませんが著作権は放棄しておりませんので、どこかに「鯉」が作った事を表示してください。

レイアウトはご自由にどうぞ。UPしようかな…なんて奇特な方、直リンはおやめください(><)
では、長々と失礼いたしました。カップリングは 放送部先輩×陸上部後輩 ですvv
(持ち帰る時はこの前文は結構です。↓からどうぞ。)

 

 

気づかない方がおかしい

 

好き
好き
大好き。
俺のこの気持ちは一生、彼に届かなくていい。
俺の口から発声されなくていい。
きっと、気持ちを伝えることなんて、夢のまた夢だから…

 

「小野寺、鍵閉めよろしくな。」
「はい、先生。ちゃんとしておきます。」
「じゃ帰り、職員室に鍵置きに来いよ。」
俺は放送部で今日の放送当番である。

当番は毎週金曜日。俺は金曜日の時間の流れ方が好きで、この曜日にした。
週の中で一番ゆっくりと穏やかに時間を刻み、どことなく不思議な雰囲気にさせる。
…そして、ゆっくりと俺自身が、彼の事を見つめられる。
だから金曜日が一番好き。

放送室の窓からは運動場の隅から隅まで見渡せて、誰が何をしているのかなんてすぐに解る。
俺が密かに想いを寄せてる相手だって、一目瞭然。
『下校時刻20分前です。部活動している生徒の皆さんは、帰る準備をしましょう。』
今日は一緒の当番の子がお休みなので、俺が朝から夕方まで一人で担当をしている。
昼は少し忙しかったけど、夕方まで来ると結構楽。
ここでちゃんとスイッチがOFFにしたのを確かめる。
ONにしっぱなしで…だなんて恥もいいとこ。
チラリと窓を方を覗くと、彼は後片付けをしていた。
陸上部で高飛びを専攻していて、俺のこの放送が流れるとちゃんと片付けに入る。
もしかしたら、どの曜日でもしてるかもしれないけど、何だか嬉しい。
俺の声がちゃんと届いてるって気がする。
頬杖をついて外からあまり気づかれないように見てると、彼は片付けを友達にまかせて校舎の中に入っていった。
…トイレだろうか。
今まで人に任せるって事、しなかったのに。
いないのならしょうがない。見ている意味がない。
俺は今度の放送の全国大会で朗読部門に出場する事がきまっているので、その練習をしようと思った。
次の放送まで幾分、時間がある。
本を取り出して3行ほど読み始めた時

コンコン

ノックがした。先生かな?
「はーい。今出ます。」
ドアノブに手をかけ、重い扉を開けると…そこに立っていたのは運動着姿の彼だった。
「小野寺先輩、」
「…………」
…何で俺の名前知ってるんだ??
「小野寺先輩、無視しないで返事ぐらいして下さいよ。」
「……はい…」
え?え??何で?俺、何か気づかれるような事したっけ?
ちょっと放送部の後輩を訪ねるふりして、彼の教室に行った事はあるけど…目立つような事はしていない!
「入りますよ。」
パタン…と閉まる音がする。
「…何か、用…?」
俺と彼は面識がないから、俺に用事はないはず。って事は…
「や、山本なら今日休みだよ。」
「知ってます。」
何か、いつもの彼じゃないみたいに切羽詰ってる…?
なんとか顔を取り繕わないと。
ああ、でも恥ずかしさと嬉しさで顔がにやけてしまう。だからずっと下を向いたまま。
「先輩、その視線止めてもらえません?されてるこっちがどうにかなりそう。」
…気づいてっ…
その事実にいっきに体中が熱くなるのがわかる。
恥ずかしい。ばれてたなんて…最悪だ。
「そーゆー誘うような目は、ちゃんと俺に告ってから、俺だけにして下さい。
じゃないと、俺が心配してしまう。」
「え……?」
意味がわからなく、半泣きになった顔をあげると彼は苦笑した。
「俺、泣かせるような事したっけ?まぁいいや。…先輩の事、ずっと知ってたよ。
新入生歓迎会の司会もしたのも、週一でラジオ番組してるのも、声がすごく綺麗で、俺の事、いつも見てたのも、
とっくに気が付いてた。」
「何で…」
そんな都合のいい話、あるわけがない。
「俺は先輩がずっと好きだからずっと見てた。…先輩も言って?」
優しく肩を抱きしめられ、彼に包まれた。
まるで魔法がかかってみたいに、一生発声しないと思っていた言葉を口に出した。
「す…好き…」
届かなくていいと思ってたのに…
「ぃっよっしゃ ーーーー!!!!」
彼は大きくガッツポーズをして、今度は勢いよく俺に抱きつく。
その勢いのよさに床に押し倒され…
「先輩、10分前の放送しないと!」
「あ。忘れてた。」
急いで起き上がり、マイクのスイッチを入れる。
「…下校」
「いぇーい!陸上部ーー!!大・成・功ーー!!」
俺がいつもの言葉を言おうとしたらマイクを取り上げられ、なんて事を言い出す!!
その放送が流れると、運動場からは大きな歓声が起こった。
って事は、皆、知ってたってわけ?
そして僕は先生にお説教をくらったのだ。
「先輩、ダッシュで着替えるから、駐輪所で待ってて!」
怒られたのに何故か俺の足取りは軽い。
ようやく俺も春の仲間入りだ。


おわり