「全部『ウソ』だった」

 

目が覚めたら、いつもの自分のべッドの上だった。

昨日は、恋人との久々の逢瀬だった事もあり、昼夜求め合った。

そして…

いつも、僕の隣で寝ている、彼の姿が今朝はなかった。

名前を呼んでみても、家中探し回っても、彼はいなかった。

ヒンヤリとした空気、時間。廊下を歩く僕の足は冷え切った。

きっと、コンビ二かどこかに買い物に行ったのだろう。今、どこにおるのか、携帯に電話をして

確認をとりたかった。

すると、

携帯に電話してみたら“現在使われておりません”

「ウソ…」

全身から、血の気が引いた。僕は文字道理に青くなったと思う。

急いで彼の家にかけても、聞こえてきた同じ音声。自宅に行っても、空っぽだった。

呆然とする頭の中の記憶にあるのは、彼と過ごした時間ばかり…。

愛して、愛されて、愛し合って…その声で呼ばれて。

一体、どこにいるの??

どうすることも出来なく、そのまま一ヶ月が過ぎた。

彼が今でも帰ってきそうで、ううん、違う。いつでも帰ってきてもいい様に荷物はそのままにしてある。

「……どうして」

認めたくない真実。夢であってと願う現実。

思っても口には出せない五つの文字。

…ステラレタ…

今までの生活が全部ウソだったらいいのに。彼を知らずに生きていけたら、どんなに楽だろうか。

 

神様、もう一度、僕独りでこの世界を歩む勇気を下さい…

もう一度、誰かを愛させてください。そして、愛されたい。

それまで、僕は今を一生懸命に生きていく。

彼と過ごした時間が全部『ウソ』だったとしても…