ニャンコとオオカミ
学校帰り、ちょっと寄り道して本屋へ寄った。
適当に物色して、時計を見ると、そろそろ高永さんが家に来る頃だと思い、気になった本を買って帰った。
一応、鍵は貸してあるから中には入れるだろうけど…
ドアノブに手をかけると案の定、鍵が開いていた。
「…ただいま、高永さん。…いるんでしょ?」
これで知らない人が出てきたらお笑いものだ。しかし、それはそれで笑えない。
脱ぎにくい靴を片手を壁につきながら脱いでると、高永さんが嬉しそうに俺の前まで走ってやってきた。
「見て見て〜!健太くん、ホラ!」
「…っ!」
走ってくるまではいいのだ。
問題はその格好…。
「そ、その頭についてるのは、何…?」
「何って、猫耳じゃん。」
高永さんは可愛らしく首をかしげ、猫耳を触った。
「そのズボンについてるのは…」
「シッポに決まってんじゃん。」
今度はシッポをぐるぐると回し始めた。
と、とにかく中に入ろう…。何でそんなに可愛い格好をしてるのかは、それからだ。
「ソファーに座って下さい。」
「はい。」
…ああ、どうしてこんなに可愛いんだ。正座なんかして。
俺って、日本屈指の大学に通ってるから、そこそこ頭が良いと思ってたけど、全然頭良くないじゃないか。
バカの一つ覚えみたいに『可愛い』しか思いつかない。
数年前に流行った『ボキャ貧』が今の俺にピッタリかもしれないよ。
「何でそんな格好してるんですか。」
「何でって…昨日のゼミの飲み会のビンゴで一等が当たったから。
で、その場で着てみると、皆喜んだから健太くんも喜ぶかなぁ〜って。…ダメ?」
ダメ?なわけが無いでしょう。
猫耳にフィットして似合っているのが、クリーム色のフードのついてる服である。
ズボンは膝丈までの白色。
オタクが自分のお気に入りのキャラクターに獣の耳をつけて喜んでるの、少し解るかもしれない。
「か…」
「か?」
「可愛い!!」
勢いあまってついには押し倒してしまったのも無理ではない話。
「ちょ、ちょ、待ってよ。健太くん!」
必死に抵抗するようだけれど、残念ながら手のリーチも力も俺の方が上だ。
「すいません、俺、オオカミになっちゃいます。」
「…っん…やぁん……」
抵抗もすぐになくなり、今度は可愛い声を出すようになった。
「…今度、直につけるシッポ、買ってきますから…それでニャンコプレイしましょ。」
「……んっ」
高永さんは、知ってるだろうか。
直につけるシッポって…大人の玩具の事なんだけどなぁ。
今だけどは目の前で息が上がってる恋人と、愉しむ事に集中しよう。
おわり
**あとがき**
猫耳、書いてみましたけど、全然猫耳が活用されてませんねぇ。
力量不足です、はい…。
でも、書いてみたかったのも事実なんですよ。
ああ、でも健太は嬉しそうなのでヨシとしましょう。